アイスコーヒー

濡らすほどの袖もないから
ノースリーブで
徹夜明けの体でいいなら
ノーメイク風で

寄り道してアイスコーヒーふたつ
市民プール向かう笑い声くらう
むくわれない女は
汗をかいてもひとり

うだうだしていたら
無駄に過ごしていたな

濡らすほどの袖もないから
ノースリーブで
徹夜明けの体でいいなら
ノーメイク風で

アイスコーヒー両手に持って
溶け出すのにあと何秒だろう
濡れた手でほっぺを叩いてあげる
明日来る子のこと 考えていないで

夏に一度くらいは 夏に一度くらいは
夏に一度くらいは 泣いてみたかったよ
I love youを言わせて I love youを言わせて
I love youを言わせて 泣いてみたかったよ

薄い背中におでこをつけて
懐いた猫みたいにこすりつける
先着のファンデの跡マーキングして
yawn

悔しいことだけど
肌の調子は良いの

濡らすほどの袖もないから
ノースリーブで
徹夜明けなんかじゃないから
ノーメイク風で

アイスコーヒーテーブルに沁みる
溶け出しても気にしてないふり
濡れた指も乾けば元通り
明日来る宅配 不在にしておこう

念のための用意も処理も
無駄になって
甘い甘いカフェラテをひとつ買う
いくつ歳をとっても
切り替えられないことばかりだ

アイスコーヒー買ってから行くよ
お砂糖とミルクいれないのをふたつ
甘いほうが好きなんて知らないでしょう?
明日来る子のこと 考えていないで

アイスコーヒー両手に持って
溶け出すのにあと何秒だろう
濡れた手でほっぺを叩いてあげる
明日来る子のこと 考えていないで
逆に一度くらいは 逆に一度くらいは
逆に一度くらいは 突き放してみせてよ
夏に一度くらいは 夏に一度くらいは
夏に一度くらいは 泣いてみたかったよ
泣いてみたかったよ
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