ゆうぐれ

ブランコたちこぎ
あなたの隣で
まぶたを閉じたら
風の音がしたよ

このまま
この空は
橙オレンジ
そしたら
ふたりも
遊んでられるのに

また少し 大人になった証拠に
寂しい時 無理に笑ってるの
一日でいちばん長い影が
行儀よくついてくる

ゆうぐれどき

きのうと 明日を
行ったり 来たりで
結局 今日のこと
気付かないで いる

変わらない
猫背と
左目の癖が
この頃
大事と 思えてしまうのよ

あと少し ゆっくり時よ 流れて
きれいな この街を まだ見てたい
20才過ぎゆらゆら揺れる心も
まぶしさに眩んで 紛れていく

黙ったままの 帰り道
うたいだした
コオロギ

どこまで
続くか
わからない空を
明日も
あなたと
見られたら いいな

また少し 大人になった 証拠に
寂しい時 無理に笑ってるの
一日でいちばん 長い影が
どこまでも ついてくる

あたしなり いちばん優しい言葉
あなたに伝えたくて
探してた

黙ったままの 帰り道
おわりのない

ゆうぐれ
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