薄明光線

酷い孤独の中、心做しか聴こえる
あの音の可視化がしたいんだ
胸の中の靄を上手く出せない
あなたを救う歌詞が書きたいんだ

あなたと話がしたいんだ
細く枯れた喉の発した声に
真っ先に気付いてあげられるように
深い闇に放り出されてどうしようもなくなって
もう、自分を傷つけるしかないなんて
そんなの、おかしいよ

崩れそうになりながら、揺れる言葉の海を
独りで渡って、辿り着いた小さな部屋
あなたの世界に少しだけ、私の歌が
確かに鳴った、夜のこと
そんな偶然を運命と私は、

1度変われば元の形には戻れないこと
本当の私は外の街じゃ愛されないこと
心に立ち込めた分厚い雲のその切れ間から
私があなたに手を差し伸べることが出来たなら

吐き出せずに心の中、溜まる言葉の膿は
声に成らないで、ただ、頬を伝ってゆくだけ
それでも足りずに手首を伝う前にさ
預けて欲しいの、痛みを少し

崩れそうになりながら、畝り巻く言葉の海を
独り彷徨って、光を待つその小さな手は
あの日聞こえた羽音を下手くそに真似た
この歌にそっと今、触れている
そんな偶然を運命と私は、信じている
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