ヌコ拾った

うるうるな目で私を見ないで
あなたを拾って帰りたくなっちゃう
泥だらけの身体雨に打たれて震えてる
一緒にお風呂に入ろう

怯えててもいいよ でもミルクは飲んでね
あなたにつけられた傷もなんだか愛おしいわ

あれから数年経ってます
ずっと隣で寄り添ってます
言葉はわかんないけど
目と耳と尻尾で通じます

あの日 助けられたのは
きっと私のほうだったと
もう平気になった夜に
ヌコ抱きしめては思うのです

どんなときも頭の中は
あなたでいっぱいで溢れそうだわ
急いで帰って名前を呼んで
ベッドの中でじゃれ合いたいの

たまにそっけないフリ 気まぐれ屋なのにね
辛いときはいつも 泣いて泣いて泣いて
そばにいる

あれから何年経っても
ずっと隣で寄り添えたら
その心臓の速さに
ふと胸がぎゅうっとなるのです

日なたで目細めながら
ふたり まどろむ昼下がり
これがしあわせなんだと
ヌコ抱きしめては思うのです
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