正気を気取った狂人

開戦当日の 最後の晩餐に
そう クラムチャウダー
なめらかに揺れてた
少ししてから
ヨーイドンの合図 打ち鳴らされた
少年の眠った右耳に響く

若い男と女が
時に冷静ぶったり 机をぶったりして
一定の距離を 保っている風に
稚拙な台詞を 並べ立てている

ギィ という音を立てずに
ドアを開けて 左目を入れ
彼は見てしまった!
不毛な醜い古典芝居

フォーク!フォーク!続けてフォーク!
スプーンを挟んでナイフが舞った
壁のダーツ盤を貫いて 「ブル!!」

再び寝床の少年
窓を叩く雨は強くなったが
それを知るのは彼だけ
聴きながら 爪の先で削る
ザラついた壁を無意味に

それが意味を持つとは
大きな子供たちは知らない
「あの子が起きたらどうするの!」
急に冷静な素振り …笑える

激昂しながら 冷静人のモノマネ
激昂しながら 冷静人のモノマネ

正気を気取った狂人ども 地球から出ていけ
正気を気取った狂人ども

スープカップにスプーンが沈む
水面が細かく揺れている

正気を気取った狂人ども 地球から出ていけ
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