茜光

ほどけてしまう糸
透ける横顔には夕の色
もう遠くへ
今だけはそっと
重ねる手消えず沈んでく

冷たい風をなぞり
揺蕩うはきっともう
咲けない青い春

癒えない傷を触り
燻んでく
飽和した水と灯

それはそっと
もうずっと傍にいたはずなのに
きっともう一生戻らない
花に明宵
煌々と照らす陽の中で
少し笑う君の影を見ては
巡り合う

月が白んだ
陽の奥
流れるのは茜さす光
君と繋いだ手も
解けたまま
さよならも言えなかった

消えない夜が陰り
朝焼けが来る頃
七色光る街

醒めない眠りのように
沈んでく
飽和した月の明かり

君はそっと
もうずっと傍にいたはずなのに
きっともう一生戻らない
花に明宵
煌々と照らす陽の中で
少し笑う君の影を見ては
手を伸ばす

月が白んだ
陽の奥
流れるのは茜さす光

君と繋いだ手も
解けたまま
さよならも言えなかった
数えては消える人生を終えて
(何か遺せたか後ろ眺めて)
夕焼けに染まる背中は綺麗で
(どこにもいかないで)
後書きの様な余生を過ごして
私は先に行くよ
きっとまた会えるから
また巡り合って
笑えるから
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