疾風

がらんどうの命がまだギラッと光って
稲妻が走る 孤独を振り切る夜

少しずつ白んでゆく空 僕らはいつも
プラチナの翼に焦がれ 闇に潜む

神代の昔に生命が飛来して食らい尽くした
宝島へ行こう 行こうよ

尽きるまで
飛びきった鳥だって 奪えない憧憬(しょうけい)だって
或いは誰かにとっては馬鹿らしくて
それでも飛び続けていたいと願った
虹色の先の光を見つめていて

乾いた本能が暴れだすように
子供たちを慈しむように
僕は錐揉みながら進むから
救いのない最期が待ち受けても
笑って飛べるよ

歪な形の生命が強い光に集(つど)って
羽虫のように散る せめて気高き終わりを

尽きるまで
燃えきった星だって 譲れない美学だって
或いは誰かにとっては馬鹿らしくて
それがなんだ?
過ぎ去った人だって 疼きだす感傷だって
プラチナを模した翼に変わって
このまま飛び続けていたいと願った
虹色の先の光へ 疾く 疾く
振り返る日々だって また君のことを思い出す夜を赦して
爛れゆく躯だって 強い瞳のままで飛べるようにさ

この痛みを抱えていつか風になれ
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