Torpor

騒々しい街の中
隠れるように早足で歩いた
第四の壁の向こう
僕らはわかっている

逃げ出したくなるよな
きっと誰にもわからないよな
神様の用意に不備があって、うまく生きていけないみたいだ
少しだけ目を瞑って
呼吸が浅くなっていくの

さみしい雪の中で
心を凍らせていた
鈍る痛覚、冷えた指先
世界はたった一つでいい

眠る君のまぶたをめくって
その眼球にキスをしたいだけ
僕らの国に時計はいらない
ねえ起きて!
まだ君と遊びたいよ

想像力の逃げ場が
どこにもない子供のような君
制裁を下すには
無垢でありすぎたんだ

触れられない愛でも
つぐむ唇が冷たくても
神様の領域に手を伸ばして、声と手紙のやりとりをした
暗闇を探るようで
睦言というには幼い

雪は積もりゆくだけ
夜空に還ることはない
生きた分だけ痛みをもらった
僕らはたった二人でいい

飽きるまでこの世界で生きて
いつの間にか向こう側に居たんだね
言葉だけが僕らをつないで
心の形がわかるように

眠る君のまぶたをめくって
その眼球にキスをしたいだけ
僕らの国に時計はいらない
さみしいばっかり増やさないで
まぶたの裏には退屈だけ
ねえ起きて!
まだ君と遊びたいよ
×