母の声

手が あかぎれた 小さなお袋は
グレた俺のこと 守ってくれた
旅立つ朝の 優しい言葉
「元気で暮らせ」が 心に沁みる
「あばよ、さよなら」 震える唇
涙で言えない 「ありがとう」

月 見上げれば いつでも笑ってた
故郷(くに)のお袋が 浮かんで見える
笑顔の裏の 悲しさ辛さ
見せない姿を 教えてくれた
気持ち温(ぬく)める 豆腐の味噌汁
今すぐ食べたい 実家(いえ)の味

今日 山裾(やますそ)を 歩いた道のりに
今も変わらない 杏(あんず)の香り
背中で聞いた 子守りの唄は
いくつになっても 忘れはしない
照れて言えずの 感謝の言葉が
今なら話せる 「ありがとう」

いつでも優しい 母の声
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