葬る陽炎

目に見える 理想は 揺らめき
指折れば 記憶は いつからか歪んでいて

分かれ道で
残酷は 優しく 背を押した

切望しても 言葉は泡に なるから

淡く溶けた 命
沈む海の底へ

白皙の貴方に 寄り添い 眠る
恋焦がれて 夢にうたう

夕闇は 独りで 踊るの

空を 光を 忘れるでしょう

眩めいて

赤い吐息 遊べば
消え入る 願い達
渇望したら 想いも泡に なるなら

苦しみから 与う
引き摺るほど 愁う
青白い手のひら重ねて眠る
捧ぐ声は もう玉響

陽の影がゆらりと 泳ぐ

瞼に

最期の 口付けを

淡く溶けた命
沈む海の底へ
白皙の貴方は 私を忘れゆく
許されない 罪に溺れて

泡沫 包まれ
微笑う

風運ぶ 二人を憂う かすかな歌
響く
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