透明な合図

君が、「最近綺麗になったんだ」って
言ってた街の景色を眺めていた
夕日が何もかも包み込んで
なんだかあの日みたいだって思い出して

誰を待っている? いつもの土手で
多分 大人になっても帰り道
風が持っていった 記憶も匂いも声も全部
「泣いているの?」「泣いてないよ」
やがて踏切が開く

ああ どこにも行かないでね
もうどこにでも行けるからね
涙も出るよ 踏み出したんだよ
移り変わる空の下で心が叫んでる

だから歌ってる 早くなった心臓が
どうしようもなくギュッとする方へ
覚えていたくて 顔上げたの
すごく綺麗だよ
この場所 ここからの未来

剥がれかけの駅の張り紙
季節 丸められた花火と祭り
子供の声と 空に響いた金属音
ボールの影 アスファルト
私が見た 東京

ねえ 変わらないままでいて
何にだってなれてしまうからね
涙が出るのは大切だから
戻れなくても振り返ってるから

幸せなこと辛いこと等間隔
過去になるほど美しく見える
前を見たくて 顔上げたの
日が昇るんならこの目で焼き付けていたい

ねえ
忘れてしまうけど 忘れないでね
朝顔のタネ植えておくね
風になっても透明な合図
背中を押してくれるような 力で

今も歌ってる早くなった心臓が
泣けてくるほどギュッとする方へ
…でもたまにね 思い出して
戻りたくて 行かなくちゃで ねえ

すごく綺麗だよ この場所
君と
まだまだ ここからの未来

まだ…
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