この声の合図が

伝えたいことがあった
刹那の感電だ
ふと呑んで仕舞ったんだ
笑顔の代償だ
小さな世界だった
芽生えたばかりの
僕を呑む 僕を呑む
こころの内側から

吐いた音を
すぐに吸い込む
首輪繋ぐよう

伝えたいことがあった
ふわり燃ゆ閃光だ
その輝きをただ言葉にしたかった
止め処なく火花が盛る
彼方な 花束 ただはらはら
何かがあった
どくり打つ心臓だ
その早鐘をただ音色にしたかった
当て所なく鼓動が歌う
変わらない 変わらない
臆病のままな泡沫

伝えたいことがあった
僕の本心だ
でも呑んで仕舞ったんだ
全部が怖かった
大きな自尊心だ
生涯共に居た
僕が嫌だ 僕が嫌だ
こころの奥底から

書いた字を
すぐ塗り潰す
籠の鳥のよう

伝えたいことがあった
ゆらり舞う絹糸だ
その閃きをただ歌声に出来なかった
行方なく滞る音と
傍ら 蟠る ささやかな泡が

伝えたいことがあった
刹那の感電だ
ふと呑んで仕舞ったんだ
笑顔の代償だ
伝えたいことだった

伝えたいことがあった
僕に咲く閃光だ
その輝きをただ言葉にしたかった
止め処なく眩く光る
儚さ 華やか ただまざまざ
何かがあった
僕に問う心臓だ
その早鐘をただ音色にしたかった
当て所なく煩く響く
今こそ 今こそ
花開け小さな世界
この声の合図が
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