望郷恋しんぼ

しぐれの屋台で 寒さをしのぎ
チビチビ熱燗 呑(や)るのもいいね
酔えばこころが 寂しんぼ…
俺もお前も ふるさと捨てて
はぐれ浮き草 あゝ 露地ぐらし

思い出たたんで 異郷(いきょう)の水に
ようやく慣れたね 三月(みつき)が過ぎて
何処にしあわせ かくれんぼ…
返すお前の えくぼがあれば
生きてゆけるさ あゝ 向かい風

丸(まあ)るい背中の お袋さんが
持たせてくれたよ 御守り袋
親のなさけが 恋しんぼ…
なみだ下地に 頬紅さした
無垢なお前は あゝ 俺の花
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