天(ama)

天や何故に 何故に
風や何故に 何故に

降り注ぐ鉛の針と 奪われた空
耳を裂く音 呻き 息絶えて その身散るまで
水面に揺れた火影(もみじ) 眩き 最期の記憶
しくしくと黒い涙(あめ) 去り際に天弓(にじ)を架けて

天や何故に 何故に
風や何故に 何故に

当てなき民 遥か未来の兆し願い
仄暗い海でひらりと舞い
狼狽える鼓動は 無情の紅と終末を誓い
眠る翡翠 春を夢見て 腐敗してゆく運命(さだめ)など

知る由もない無様な鳥のまま

天や何故に 何故に
風や何故に 何故に

赫い朧の月 何故に 何故に
何故に――――――

天や 何故に 風や 何故に

嗚呼 何故に 何故に
風や何故に 何故に――――――
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