ハードモード

ゼロになって初めて知った
思い出ってずる賢いのね
ダメになって私を知った
本当のね

枝葉が突然見え始めた
ピントが微妙に合わない
暗過ぎる夜が指から身体を遊び倒していく
少しズレた本能が
だんだん私に気づいていく
エグみを解いてまっすぐに伸びた
糸を切らぬように落ち着いた

ゼロになって初めて知った
思い出ってずる賢いのね
ダメになって私を知った
本当のね
長くなった髪を触った
それ以外のことができなくて
思いきった命の消費
そんな勇気もない

人生がそもそも遊びだったなら
もっと自分を大事にしたかも
誰かを強く意識し過ぎて朝までもたなかったの
間が長過ぎて焦ってしまった
ちょっとハードモード過ぎない?
嫌な雰囲気のゴーレムが
ちょっと右手をあげていた

物語の途中でもっと
大きな力で手を引いてよ
抱え込んだしおりの多さに
引かないでよね
遅くなったプレゼントって
遅過ぎた場合はどうするの
思い出にも残らなかった
冗談じゃない

絶対じゃないことに
可能性を見出せない
それが私の説明書

ゼロになって初めて知った
思い出ってずる賢いのね
ダメになって私を知った
本当のね

長くなってしまった
どうにかなると思ってた
思いきって命を握ってみた
私は馬鹿だな
孤独だって祈りで
どうにかなると思ってた
全て変えてくれると
信じてた
私は馬鹿だな
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