花筏

僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、
抜け殻になってしまいたい。
僕が夜明けを待つ側に、
できれば君がいいから
構わないかな。

どうして言葉にならないんだろう。
雨の続く5月の暮れに、
僕は湿気った最中を飲み込んだ。
柳の葉が風に靡き、泣き伏せる。

AM5:00の明治通りは、
風に乗るのには丁度いいのさ。
たまには一人生きようよ。
そして、たまには会って話そうよ。
参っちまうな!

僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、
抜け殻になってしまいたい。
僕は呼吸を待つように
君に会いたくってさ、
夜更けに靴を擦り減らしてる。

振り出しに戻ればどうしよう。
出会い方諸々変えとこう。
やっぱりこのままがいいだろう。
僕らは美しい。
離れたら愛は鎖なの?
そんなのよっぽどおかしいよ。
僕たちは風のままにゆこう。
僕らは美しい。
それでも、美しい。

どうして変わってしまうんだろう?
雨上がりのガラス戸のように僕ら。
きっと燻み、曇り、
ある日何も見えなくなるだろう。
それでも、今はいいよ。

僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、
抜け殻になってしまいたいんだよ。
でも、僕はどうしようもないからさ。
ずっと、愛したいんだよ。
死ぬまでは生きてたいんだよ、君と。
愛しきって、愛想尽きても、
朝を待つよ。

僕の呪いであってくれ、
僕が記憶になる前に。
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