有機理想

世界で1番ときめいて 世界で1番揺蕩った
嫌いだよ 君のこと 言い做す小夜に

明滅のゆらぐ水面も 漂う銀波の眩みも
敵わない それだけは 分かってただから

深遠の囁きも 笑いあったような記憶も
真円に閉じ込めた 失わないように

今ひとり ただ一人
ああ独り 諦めて

直情な過ちは 切り捨てて

美しい 君の目が
顔色を失わぬように

しゅわり ただ
僕は ただ 蓋した

正解かなんて知らないさ
有機理想

世界で1番など無くて 本当は世界を知らなくて
ちっぽけなこの縁に 錆び付く硝子

明滅の揺らぐ水面も 煌めくリチアの淡色も
永遠がないことも 気付いてた だけど

心肺の眼差しも 馬鹿なフリしてた自分も
息を飲む この記憶 忘れてしまわぬように

今ふたり ただふたり
ああふたり 見つめ合う

直情な過ちは 切り捨てて

美しい 君の目が
顔色を失わぬように

しゅわり ただ
ひとくち くちづけた

正解かなんて知っていた
有機理想

自己中な右手が弱くて 汚れていくのが怖くって
見て見ぬふりばかりしていた 綺麗なままでいたかった

今ひとり ただ一人
ああ独り

直情な過ちは 切り捨てて

美しい 君の目が
顔色を失わぬように

しゅわり ただ 僕は ただ
蓋を開けた

透明なままでさようなら
有機理想
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