死んだ文豪に恋をした

死んだ文豪に恋をして
行間さまよってデートした
透明なつまさき見ないふりして
冥界のほとりでハグを

人は恋と革命のために生まれたこと
夜になれば重なる「やみ」はぬかるんで

雨を言い訳にして私の部屋に来て
口説いてるんだよ眼をそらすなよ
汚れちまつたランジェリー
恋をしても一人

死んだ文豪に恋をして
ペン先で突っついて合図した
曖昧な結末じらさないで
明快な言葉で愛を

君は嘘と憧れのはざまをさまよう人
眼を覚ませば不埒な夢はあばかれて

夜をいいわけにして朝までそばにいて
誘ってるんだよ さあ答えてよ
汚れちまつたランジェリー
愛を人質にして死ぬまでそばにいて
捧げてるんだよ眼をそらすなよ
汚れちまつたランジェリー
恋をしても一人
×