雨の港駅

忘れてくれと あなたの声が
途切れ途切れの 汽笛(ふえ)になる
まるで私の 心のように
雨にうたれて 啼く鴎
あの日別れた 終着駅は
線路も途絶えた 北の町
風がひゅるひゅる こころにつき刺さる
空がひゅるひゅる 涙を凍らせる
あなたに逢いたい… 港駅

海を渡って 吹き込む雨が
未練捨てろと 泣きさけぶ
傘を持つ手を 優しく包み
寒くないかと 言ったひと
行く手阻んだ 運命(さだめ)の海峡(うみ)に
噂も消されて 波ばかり
風がひゅるひゅる 名前を叫んでも
空がひゅるひゅる 声さえ届かない
氷雨が肌うつ… 港駅

海の向こうは また海ばかり
線路も私も 吹き曝し
風がひゅるひゅる こころにつき刺さる
空がひゅるひゅる 涙を凍らせる
あなたに逢いたい… 港駅
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