回顧録

少しだけ髪を切った
帰り道には冬が残る
描きかけの看板には
遠い記憶の海の色が

失くしたワケじゃないけれど
不意に恋しい日々へ
目を閉じて心は訪ねてく
私のカレンダー
誰もがもう、忘れてしまった
ささやかな出来事

会えなくなって気がつくの
夢の支えにしてた人だと
ありがとう、も云わないで
ここまで私 歩いてきた

いつか 雨の日に借りていた
傘をさした私が
見上げてる 雲の隙間から
ひとすじ光る糸
辿ればまた あなたが教えてた
明日へと続く道

次の季節招いてる風なら
吹かれてみたいけど
忘れないわ 小さな優しさが
すべてを包むこと
ありがとう……
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