残月渡り鳥

月を背にして 街道急ぐ
人目しのんだ 三度笠
ここはおいらの 生まれた故郷
懐かしいなァ
利根の河原にゃ 花すすき

嫁に行ったか 行かずにいてか
娘島田が 目に浮かぶ
木の間がくれの 里の灯見れば
胸があついぜ
泣いて別れた 三年前

狭い肩身を 故郷の人に
見られたくない 旅合羽
どうせ夜明けりゃ 大利根越えて
さらばおさらば
またもあてない 渡り鳥
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