Umbrella

夕闇のベランダで
行き交う人 ひとり眺めた
明日を知らす予報
なぞりながら雨を祈る

濡れる肩を言い訳にして
そばで ただ寄り添っていたい

ねぇ Umbrella
この恋 隠して
確かな時間(いま)を頷きながら
Umbrella
ふたりだけの世界は
狭すぎて 脆くて
霞みながらきらめいた

真夜中の助手席で
うつむくたび約束した
不安を口にしない私の目を
覗き込んで

優しすぎるその唇は
サヨナラ 言えないと思っていた

ねぇ Umbrella
この恋 許して
儚い時間を慰めながら
Umbrella
55cmの世界で
永遠を縋った
私はもういない

迷いながらキスをした
ヘタな嘘を信じた
伝うのは雨じゃない

いつか生まれ変われたら
青空の下 寄り添えるように
Umbrella
ひとりきり広げた
確かな恋をした私を
消えない傷あとを
抱きしめるように

Rainy day
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