甲府の女

真珠のような瞳が 語りかけるのさ
さくら吹雪の 夜の 舞鶴城
ハーフコートの 襟もとで
淋しく揺れている 白いうなじが
初めてかわすくちびる 甲府の女(ひと)よ

ひかるすはだがそっと 誘っているのさ
花火咲いてる 夜の 小瀬の祭りよ
ゆかたの裾を 手で押さえ
朝までいっしょに いたいとすがる
肩のふるえ ぬくもり 忘れはしない

別れの言葉がジンと 心にしみるさ
枯葉舞い散る 夜の 甲府駅
愛のしるしと オパールの
細い指先に 涙がにじむ
消える列車 見送る 甲府の女(ひと)よ
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