純ラブ

「このまま今日は帰りたくない
ふたり朝までここに居ようよ」
なんて言えずに 改札の前
どうか君が言わないかな

あっという間に過ぎてゆく
チラつく時計もう焦っている
ほろ酔いの君はつゆ知らず

「一緒だと素でいられる」
それ僕にしか言ってないよね?
今日もうまく奢らされる

店を出る駅へと歩き出す
少し遠回りする
君が何を考えているのか
わかればいい

「このまま今日は帰りたくない
ふたり朝までここに居ようよ」
しけた公園、花火でもして
夏を加速させないか
間違いないぜこれは純愛です
君のそばにまだいたいんだ
何も言わずに その手を引き止めれば
ここにいてくれますか

「それ俺も好きなやつだ」
好きでもないのに話を合わす
少しでも時間を稼ぐ

目の前にいるのに
見えないくらい遠くに
君を感じるのです

ここで見送ってしまったら
二度と会えない気がする
もう爆発しそうなくせに
「好きだ」と言えない

帰らないで僕にくれないか
最終回みたいな演出を
胸に飛び込んで恥ずかしそうに
「やっぱり」と言ってくれよ
間違いないぜこれは純愛です
君のために全てあげる
もうなんでもいい
夏のせいでいいから
ここにいてくれよ
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