一瞬の花火

恋はまるで
遠い花火
ここで見れば 美しいけど
空に花が咲いて
散った後には 真っ暗闇
光の後で
音だけ響く
幻なのか?

僕たちがいつも通っていた
学生時代の坂道の途中で
夜空の下
君のこと思い出す

将来の夢を語り合ったね
別々の道を歩き始めた
お互いのために言った
サヨナラ

一瞬で消えてしまう
儚(はかな)さ思い知った
どんな美しい花も ほら
記憶の中に残るだけ

恋はずっと
続かぬもの
近づいても 真下にいても
打ち上がった音に振り向くのはただ虚しい
恋はまるで
遠い花火
ここで見れば 美しいけど
空に花が咲いて
散った後には 真っ暗闇
光の後で
音だけ響く
幻なのか?

あの頃の夏は いつもここから
星を見るだけで しあわせだった
別れを後悔してる
今でも…

消しゴムで消せるのなら
まっさらにしてしまいたい
あんな情熱の日々は もう
忘れられぬ眼差しよ

あれが恋と
気づかぬまま
近いような 遠いような
そんな君と僕は花びらのように舞って…
胸の奥に
枝垂(しだ)れ柳
思い浮かんだあの日の涙
君はどこで誰と
今日の花火を見上げるのか?
切なくなるよ

時計の針まで止まっている
(あの日から)
公園通りを一人で僕は歩くよ
その思い出の隣には
君はいないけれど

愛するとは ずっと手を繋ぐこと
何があっても離さずに…
(だけど)
誰もいない…

夏の終わり
ふいの花火
その大きさも その熱さも
二人以外 きっと わかり得ないだろう
恋はまるで
遠い花火
ここで見れば 美しいけど
空に花が咲いて
散った後には 真っ暗闇
ああ いつか見た
夢よ
光の後で
音だけ響く
幻なのか?
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