憂い微睡に抱擁 [Tenebrae]

憂い微睡む夜 君の名を呼ぶ
絶望に塗れた砂の海 沈んでゆく

嗚呼 足宛いても 藻掻いても 尚
兆しさえ掴めない 焦燥がれた儘
嗚呼 苦しくて息が出来ない
渇望めていた場所なのに溺れて

[Tenebrae ante lucem.]
一層このまま消える?
[Post tenebras spero lucem.]
破滅さえも過る――。

永遠に燃ゆる暖かな焔
繋ぐ其の手は

闇に濡れた過去が現在を苛む
毒の華 荊が 婆娑羅に嗤い薙ぐ
憂い微睡む夜 君の名を呼ぶ
光 抱擁いた 愛おしい記憶 暁 哭いて

嗚呼 焦燥がれても焦熱がれてもまだ
諦めを受け入れることは厭で
嗚呼 躊躇いで身動き出来ず
羨望めていた場所なのに恐れて

[Tenebrae ante lucem.]
何故?言葉も出ずに
[Post tenebras spero lucem.]
心が血を流す――。

不意に射した熱を帯びた君の思いが

病みに揺れた痕が哀と引き裂く
絶望の痛みが漏らす言葉の泥
憂い微睡む夜 君の名を呼ぶ
忘れない 愛おしい記憶 光に変わる

愛しさが蒼穹 [Caelum] へ還る
誓いの言葉を抱いて
星屑が夜空に舞う
夜明け [Diluculum]に煌めく為に

永遠に燃ゆる暖かな焔
繋ぐ此の手は

闇に濡れた過去が現在を苛む
毒の華 荊が 婆娑羅に嗤い薙ぐ
憂い微睡む夜 君の名を呼ぶ
煌めいた星の息吹が 希望へ孵る
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