ハマナス哀歌

海を見下ろす
ホテルの窓を
かすめて一羽 飛ぶ鴎(かもめ)
北の岬に 灯(ひ)がともり
胸の寒さを 思い出す
ここにお前が
いたという
噂たずねて 港町
むかしの裏切り 古い傷
責めているのか
白い花

潮の香りと
波音だけの
他には何も ないところ
風に揺れてる ハマナスが
笑うお前の 顔になる
愚痴も言わずに
この俺を
いつも支えて くれた女(やつ)
真実(まこと)の愛だと 気付かずに
なんで離した
赤い糸

ここにお前が
いたという
噂たずねて 港町
命の残り火 消えぬ間(ま)に
たったひとこと
詫(わ)びたくて
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