おもかげ運河

おまえの香水(かおり)が したようで
思わず振り向く たそがれ通り
ひと冬ふた冬 別れて三冬(みふゆ)
時が経つほど 逢いたくて
運命(さだめ)恨んだ 切ない日々が
ガス灯(あかり)に揺れてる おもかげ運河

世間が許さぬ 仲だった
つらぬく道など 探せなかった
ひと冬ふた冬 泣かせて三冬
雪がちらつく 石畳
連れて行ってと すがった声が
今でも聞こえる おもかげ運河

二人に幸せ 来ないまま
失くした季節が 水面(みなも)に映る
ひと冬ふた冬 恋しさ三冬
忘れられずに さまよえば
今日も酔えない 旅路の酒が
哀しく沁みるよ おもかげ運河
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