fireworks

「綺麗だな」って声が
星空に溶けていった
最後の瞬きが
瞼の中 焼き付いて

鳥居を抜けて 耳を澄ませば
祭囃子は遠くに
「昔と同じ 変わってないね」と
懐かしい声と笑顔

花火が終われば 人は静かに
それぞれの日々に帰ってゆく
せめてこの日の 眩しい思いが
色褪せず残るように

「綺麗だな」って声が
星空に溶けていった
最後の瞬きが
瞼の中 消えないように
ずっとずっと この空を
見つめていた

日々の憂いも 明日の事も
今だけは横に置いて
赤白黄色 光の中で
それぞれが想い馳せる

夢見心地も 僕等の鼓動も
いつか終わりがやってくるのなら
この瞬間を 噛みしめながら
大切に思えたらいい

あなたの横顔が
照らされて消えていった
夏の匂いだけが
僕等をただ包んでいた
ずっとずっと 記憶の中
残るように

躓いたことも 迷子の夜も
あの日の痛みも 涙も全て
今日に繋がっていたのなら
そうさ 悪くはない

一片の光が
ゆっくりと消えていく
これからも その先も
またここで会えるように

「綺麗だな」って声が
星空に溶けていった
最後の瞬きが
瞼の中 消えないままで
ずっとずっと 忘れない
この光を
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