あの日 僕たちは泣いていた

「ねえ 覚えてる?」
久しぶりにバッタリ会った君が
何か言おうとして 口をつぐんだのは
どんなこと思い出したのだろう

マンションの前に車 停めて
大切なこと話し合った
夢や未来や今の現実
思いがけない別れ方

ハザードの音
自分の鼓動がリンクしてた
点滅してる
暗闇のその中 浮かび上がるのは
助手席の窓越しの楽しかった日々よ

あの日 僕たちは泣いていた
それは確かなんだ(秋の夜)
頬を流れる涙の跡に
そうずっと気づかぬまま
それが二人の過ちと
認めたくなかった(虚勢さ)
もしどちらかが気づいていたら
背中を向けた恋を引き留めたのに…
今もあのままだった

どうせだから送ってくよなんて
軽い気持ちで言ってしまった
思い出話は切なくなるだけだ
もちろん わかってはいたのに…

「二つ目のコンビニを左に曲がって
道なりに緩やかな坂を上って行くと
何度もキスをした
懐かしい駐車場が見える
でも今夜は通り過ぎるしかなかった」

ハザード 点けて
聞きたいこと いっぱいあったけど
言葉を失う
何も始まらないのならこのままがいい
「じゃあね」と微笑み 友達に戻ろう

いつか僕たちは思い出す
胸の甘い痛み(棘のように)
手から溢
こぼ
れた そのしあわせに
後になって気づくもの
だから二人の感情が
大きく揺れたんだ(知らずに)
瞼(まぶた)の奥までジンと熱くなって
後悔するってことを伝えたんだろう
そうさ 心裏腹に…

あの日 僕たちは泣いていた
それは確かなんだ(秋の夜)
振り返ってもどんどん好きになる

「素敵な時間だった」

それが二人の過ちと
認めたくなかった(虚勢さ)
もしどちらかが気づいていたら
背中を向けた恋を引き留めたのに…
今もあのままだった

僕たちは微笑んでる
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