March

行かなくちゃ 行かなくちゃ

春の月が淡く煙る夜に
漠然と寂しくなるよ
終わってゆくひとつ季節が
正しさなんてつねに虚しいから
次第に歩き方忘れて
俯いて立ち尽くしていた

光降る音がした
温かい匂いがした
君がいたんだ

行かなくちゃ 行かなくちゃ
今届けたいよ
恥ずかしくて優しい
愛に似た想い
さよならもはじまりも
すべて掬って
描く世界でもう一度君に会いにゆこう

かじかんだ手のひらをぎゅっと握って
涙をこらえたあの夜
遠ざかった君の影
痛みのようなぬくもりがあること
出会えたからこそ知ったんだ
甘い空想も不穏な想いも

会いたいんだよ
ほんとうは
夢でもいいからその声きかせて
くじけそうだ
生きてるかぎりは幸福と同じだけ苦しみもある
だから私は

行かなくちゃ 行かなくちゃ
今届けたいよ
恥ずかしくて優しい
愛に似た想い
さよならとはじまりを
繰り返し
描く世界でかならず君に会いにゆこう

春になれば思い出す歌がある
夜になれば灯るメロディがある
君が照らしてくれた光がある
もう泣かないよ
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