Wren

風の音に混ざり ざらついた記憶が浮かんで
喉の奥に残る 苦みに今更気づいて
答えのない問いを 懲りもせず繰り返している

明日になれば また変わることを怖れるように
伸びる影にピントを合わせて 何か嘆くんだろう
どれひとつ描いた未来じゃないのに

まだ間に合うとしたら
傷つくとしても 声枯らしても 叫び続けたい

夢から覚めて 消えかけるような
そんな夢はこれで終わりにしよう
夕立のあとで 悲しげに鳴いた
あの鳥はもうどこにもいないけれど
理由だけは余すほどあるから

褪せた香りのかけら 相変わらず握りしめて
ひどく脆いくせに 諦めの悪い願いを
やけに大事に抱え 夜を待っていた

まだ間に合うとしたら
後悔するよりは すべてマシだと 向かい続けたい

暗闇にそっと 溶けていくような
そんな夢は二度と見なくていいよ
夕立のあとで 悲しげに鳴いた
あの鳥が今どこかで羽ばたくなら
理由だけは余すほどあるから

I reach for the light
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