行方なくとも

投げ出した匙
思う午後九時
西の空ホクレアが笑う
車道の脇に転がる走馬灯を手掛かりにして
探せ探せ

きっと心の置き場所が
たった少しずれただけ

消えない残滓溶かしても
カタルシス他愛もないこの世界
解せない嘘を歌舞いても
指図めいてる

呑み込む好き嫌い
消化はできない
テールランプは切れたままで
インターチェンジ飛び乗る逃避行
どこまで行こう
進め進め

きっと心の置き場所が
たった少しずれただけ

足りない刹那求めては
胸の底触れる風の匂い
見えないこの夜の鳥
静かに飛ぶ
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