木漏れ日と一緒に

昼前の用事を済ませた体を
バスに押し込んで なんとなく揺らされる
緩やかに大きなカーブ描いて
病院の角をなぞるように左折する

風船揺れる横断歩道 あくびを乗せて待つ自転車
最初を知らない映画のように過ぎる 窓の向こう
太陽を遮った街路樹 絶妙な加減でこぼれる光
選ばれた小さい輝きが 肩に踊る

懐かしい唄みたいだった
もう少し頑張れるだろうか

平気だと決めたらなんだか平気な気がした
それは痛み止めみたいなもんだと解っている
感じたり考えたりから逃げて生きているうちは
ずっと修理できずにいる

あんまり笑えそうにないまま 昨日から今日を明日に繋ぐ
曖昧な自分の手を支えながら 夜を渡る
太陽を遮った街路樹 削れて砕けて届く光
すぐ消える小さい輝きが 肩に踊る

懐かしい唄みたいだった
誰かの涙みたいだった

もう少し頑張れるだろうか
懐かしい唄みたいだった

訪れる当然の日々に
相槌さえままならなくて
会いたい人を思う事すら
避けてしまうだなんて

この胸に消えない言葉
他の何にも変わらずに
死ぬまで刺さる鋼鉄の杭
仕事を止めない心臓
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