千住大橋

安い貸間の貼り紙を
さがして歩いたあの頃は
お前とお茶を飲むたびに
マッチの箱が増えてった
街も賑わう年の春
着たきり雀のジーパンはいて
千住大橋たたずめば
頬にポツンと小雪が落ちてきた
何かやりそな顔をして
なんにも出来ない俺だった

若尾文子のカレンダー
壁紙がわりに貼りつけて
お前を部屋に読んだ夜
コタツ布団を借りたっけ
餅も買わない正月に
エプロン姿のお前を抱いて
千住大橋たたずめば
頬にポツンと小雪が落ちてきた
何かやりそな顔をして
なんにも出来ない俺だった

何かやりそな顔をして
なんにも出来ない俺だった
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