海の子なれば

私の瞳の 一番奥に
小さな海が ありまして
ホロリ涙を 流す夜は
海の匂いが 頬つたう
我は海の子 なればなり

白き貝ガラ 耳にあてれば
海の響きが 寄せてくる
母に抱かれた 子供のように
いつも泣き止む 私です
海という字に 母がいて
我は海の子 なればなり

今宵大潮 満月の夜
私の肩に 唇で
あなた残した 桜貝
そこだけ熱く まだ火照る
我は海の子 なればなり

沖ゆく船の マストに灯る
明かりは星座の 形して
遠くの港を めざすから
私もあなたを 旅立とう
明日はあなたを 忘れます
我は海の子 なればなり
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