RED

血が滲んで傷んだ踵下ろす薄氷よ

茹だる左脳
渾沌の牢
訝る昨日を喰らう白

穿つ思想
双眸は狼
逆立った塔は透ける黒

陽が沈んでいく

夜にそっと掬った星と目が合った
アルケ、アルケ ソノアシデ
絹を縫って歩いた僕を
覚えている気がしただけ

血が滲んで傷んだ踵下ろす薄氷よ
アルケ、アルケ ソノアシデ
背中を睨め
彼の岸まで眠らないように

夜にそっと掬った星と目が合った
アルケ、アルケ ソノアシデ
絹を縫って歩いた僕を
覚えている気がしただけ

血が止まっていたんだ
もう痛まないよ
オドレ、オドレ ソノアシデ
砂を踏み抜け
跡は風が隠してくれるわ
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