路地裏おとこ酒

路地に降り出す こぬか雨
ひとり飲み干す 燗冷(かんざ)まし
浮き世雨風(あめかぜ) 重ねた月日
酔えばしみじみ 酔えばしみじみ 懐かしく
沁みる男の 手酌酒

惚れていりゃこそ 身を引いて
無理に散らした 人の花
浮かぶあの日の おまえの涙
今も暮すか 今も暮すか あの町で
未練こぼれる 手酌酒

男心の 片隅にゃ
人に言えない 傷もある
夜の裏町 今夜はせめて
せめて自分を せめて自分を 誉(ほ)めてやれ
滲む涙の 手酌酒
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