スピラ

何回も崩れ落ちた、この心の臓の端散り散りに、
あなたの嫋やかな輪郭をそっと、重ねては繋いでいるんだ。

何遍も通り抜けた夜の、先にある夢散り散りに、
抱えた麗やかな感情をずっと、大切に運んでいるんだ。

意味ない話、ただ、繰り返し。また何もなく、朝陽が照る街。
長いあらまし、儚い足掻き、現をひたすら歩いては、

擦り減ったこの靴底が、見てきた景色は孤独だった。
溢れそうなぼくの言葉が向かう方に、もうあなたはいない。
移ろい散ったあの緋の香りばかりが、微かに残っている。
そんな日々をまたかき集めて、忘れない様にしまっている。

前略。共に足を刻んだ砂も、それを掻き消したあの波も、
今や四方を囲むグレイ、反響するのはいつだって愁い。
荒んだ心情を癒す様に、その空間と同じ様に、
散らばった記憶を固めて形を保つのがやっと、の今日だ。

過ぎ去った季節を、ただ深まった亀裂を、
幾度となく耐え忍びまた訪れる霞がかった次節を、
尚、待った。その続きをひたすらに願った。
この心臓を預けられる何かが、そこに在るのだと思った。

嗚呼、

キリ無い話、また、繰り返し。ただ変わりなく、夕陽が澄む街。
淡い眼差し、儚い証、現をひたすら歩いては、

擦り減ったこの靴底が、見てきた景色は孤独だった。
溢れそうなぼくの言葉が向かう方に、もうあなたはいない。
移ろい散ったあの緋の香りばかりが、微かに残っている。
そんな日々をまたかき集めて、忘れない様にしまっている。

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