ちょっと長い関係のブルース

あいつが
或る夜、あたしに言ったの
おまえは気が多いよってね
どうして、そんな事あいつが言うの
ひとの気も知らないで
都会の冬は深くなって行くばかり
あたしは
ただ、泥くさく生きてるだけなのさ

今朝は今朝で
非常ベルが鳴って目が醒めちまったよ
この古いアパート、もう嫌になっちまう

あたしは
古い女なんかじゃない
ただ、ちょっと年取っただけさ
だって、あたし
あいつの事なら見落しちゃないもの

あいつは決まったところに帰って行く
待ってるひとのところに帰って行く
そうなの
あいつとあたし
一体、なんなのかしらね
これじぁ
秘密の夜など持てはしない
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