クリスマスの朝

窓を開けたら真っ白な世界
起き抜けの目に突き刺さる光
まだ誰の靴にも 一台の車にも
踏まれたことのない雪が広がる

そう思ったら前の駐車場に
ぴょこんぴょこんと耳の長いやつ
サンダルを突っかけ 思い切り転んだ
冷たくて思わず声が漏れた
「ひゃっ」

そう思って目を開けたらそこには
広げたままの教科書とノート
授業の終わりの 鐘の音とともに
かすかに残る雪の冷たさが
九月の午後の空に溶けていく
いつかそんなクリスマスの朝を
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