港町かくれんぼ

探さないでと 電話の向こう
汽笛の響きと 重なった
胸に浮かんだ 景色は遥か
ふたりの想い出 海の街
白いフェリーに 飛び乗った
おまえを探しに 港町

そばにいるのに あなたが遠い
おまえの言葉が 胸を突く
長い髪した 女がひとり
寂し気だったと 釣り人が
せめて詫びたい 抱きしめて
ひと足違いの 港町

お前いなけりゃ 明日(あす)などないさ
あの日の神社で 祈るのさ
書いたばかりの 見慣れた文字で
「愛していたわ」と 絵馬ひとつ
うわさ辿って 後を追う
逢えそうで逢えない 港町
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