龍安寺の歌

京都のお寺 龍安寺
石のお庭を ながめれば
ちいさく広く しずまって
置かれた石の 数 十五

吾唯(ワレタダ)足(タ)ることを知る
知足(ちそく)の蹲踞(つくばい)の四字
水をたたえて

京都右京区 龍安寺
池の南に 来てみれば
水分石(みくまりいし)が 向きあって
お池の水の嵩(かさ)をみる

奥に向かって 低くなる
遠近の 油土塀
古(いにしえ)の人の 知恵

春を待つ 侘助椿(わびすけつばき)
葉音に耳を 澄ませれば

茶庭の垣の 菱(ひし)の組み
苔の緑に 音が染(し)む
苔の緑に 音が染む
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