tobu_tori

風はいま止まった
木や花も息を飲んだ
雲はまだ流れていた
銀色の陽は注いで

高台へと向かえば
冷たい静けさが
肌を伝うだろう

駆け上がる瞳には
美しい力が潤んだまま

飛び立って 滲んだ光を背負った影
この胸掴まえて 離さねぇ
溶けない翼をはためかせて
ずっと 遠くまで連れて行ってくれ

風が吹きすさび
土砂降りの心には
もう消えてしまいそうな
細い火が揺れている

高台を見上げれば
熱い悲しみが
ついた膝に落ちる

理屈を超えられる
美しい力はその手のなか

絡まって 蝕む物語を
振りほどいて 始める新たなソウゾウ
飛び去ってく 君の姿を追いかけて
まだ遠くまで もっと遠くまで

飛び立って 滲んだ光を背負った影
この胸掴まえて 離さねぇ
溶けない翼をはためかせて
いつか きっとくる自分の順番も
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