窓辺

グラウンドの砂埃の向こうで
なつかしいあの日のきみの姿
夕方の日差しを 背負って手を振った

書きはじめの丁寧で小さい
気取った文字は やがて走り出して
伝えたかったことが あふれてたあの頃

明日に はぐれるときには
姿のない人たちからの
紙ひこうきが窓辺に届く
見慣れた字の 手紙

はじめて1人で暮らした頃に
自転車で走った澄み切った朝は
形のないものが 鮮やかに見えてた

遠くへ行ってしまったきみや
二度と会えない恋しいあの人
昔と違う僕になにを言うだろうか

心 はぐれるときには
姿のない人たちからの
紙ひこうきが窓辺に届く
近くにいるように

灯をつけていく
ビルの景色がきれいに
またたいてる
忘れられぬ人が
忘れかけた自分を
遠くで呼んでる
遠くで呼んでる

明日に はぐれるときには
姿のない人たちから
ひとりじゃないと笑うように
紙ひこうきが窓辺に届く
見慣れた字の 手紙
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