アヤカシ

驚天動地の終末だ 枯らしきった現し世で
動き出した歯車は止められない

命運と踊ろうか 信ノ念に似た弾丸で
撃ち抜けぬものはない、と出鱈目を貫く

"むすんで ひらいて" いつかの声で
忘られぬ日々と行く末を知った

殺しても 化かしても この心消せないのなら
歪な生命の進化の意味を受け入れてよ
叫んでよ 喚いてよ 雨の帳で赦された
朽ちた遠吠えに変わったって構わない

ぽっと妖艶な蒼い提灯 ぎらぎらと勇む眼だ
見苦しいほど生き急いだ鏡の前

体裁なんて関係ない 懐に忍ばせていた
鈍になった心は醜くも、美しい

泣いて 恨んで 呪わばふたつ
忘られぬ日々に暇を乞う

望んでも 願っても 散りゆくことが定めなら
せめて頓珍漢な俗世の謎を撃ち抜いてくれ
壊しても 砕いても 決して消えない光が
心ノ臓にまだ宿っているのでしょう

彷徨える残り火よ まほろばの夢に眠れ
虚ろな水瓶と穢れた手足は
誰がためにある? 覚束ないまま走れ

笑っても 飾っても どうせ暴かれるのなら
無様だろうと自分でいたい どんな明日がきても

殺しても 化かしても この心消せない だから
歪な生命が在った証を焼き付けてよ
痛がって 強がって 誰に認められたわけじゃなく
そのすべてがきっと命の燃える音だろう
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