染色

僕の色ってなんだろう 君の色ってなんだろう
生まれた意味に縛られてこぼしてしまったんだ

“誰の代わりなんだろう 自分じゃなくていいんだろう”
呪いが支配して放り投げたそれは

すぐそばにあって 大人になって
見ないふりして 忘れちゃって
誰の色でもないまま ここに在ると聞こえた

ありきたりな色だって 鮮やかに彩られてゆく
縄張りを争うように塗り合う未来航路
取り留めのない会話も宝物だって言えるから
僕らの物語で染め上げよう

好きな色ってなんだろう 見たい色ってなんだろう
胸を張るように言えたのは君のおかげ

この痛みも あの怒りも 笑って泣いたことも
白い箱にはすべてが詰まっていたんだよ
それが僕で それが君で 変わらない原色で
キャンバスに描いた幻よ、消えないで

ボロボロになって 色褪せちゃって
いつかはみんな灰になって それでも確かに在ったもの

すぐそばにあった 大人になった
けれどもずっと僕を待って
誰の色でもないまま ここに在ると叫んでいた

ありきたりな色だって 鮮やかに彩られてゆく
白か黒かなんてきっとおもしろくないでしょう
取り留めのないすべてが宝物だって言えたなら
僕らの物語で染め上げよう

僕の色ってなんだろう 君の色ってなんだろう
重なりあって混ざりあえば意味はあるでしょう
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