Mary Celeste

スカスカの心臓差し出して御覧。
直接君の愛に触れてやるから。
傷んだ箇所を取り除いたなら、ボトルに入れて遠くへ流そう。

マストに破られた過去の約束繋ぎ、“今度は裏切るな”そう吊るし上げる。

魔が差しただけさ。
バラけた体を必死に掻き集め、今日も傍に居て。
僕を生かすために君は死ねない。
「また明日」なんて嘘を突き通して。

船室の奥で腐ったカバーを剥ぎ、「鏡よ鏡、私は誰?」と君が問い掛けた。

荒れ狂う夜に
襲い来る酔い
蓋をした脳裏
見失うAlready
刻む魂に
混ざる色は
片手じゃ足りない

舵を切る度に空が顔色変える。
波風立つ海は君への罰だろう。

魔が差しただけさ。
バラけた体を必死に掻き集め、今日も傍に居て。
君を生かすために僕は死なない。
「また明日」なんて呪いで寝苦しい夜を。
決して醒めない夢を此処から始めよう。

嵐の中で醒めない夢を進もう。
君は奏でて。
その音に乗せて唄うよ。

スカスカの心臓差し出して御覧。
サイズの合わない愛を詰め込んであげるからさ。
×