忘らりょか

別れは突然にくるものさ
最後の言葉さえ言えぬまま

蝉の時雨の風にこだまする

「悔いだけ残さずに
お前の道をゆけ」
胸に染み入る友の声
あの夏の夕暮れが
今も忘らりょか

涙に暮れていた日もあれば
酒に溺れてる夜もある

けれどアイツはこんな俺を見て

喜びゃしないよな
前見て生きなきゃな
若者どもが夢の跡
あの夏の面影が
今も忘らりょか

別れがありてこそ旅となる
交わした約束がそこにある

夏の終わりに浮かぶ雲を見て

「ここまで来れたのも
お前がいたからさ」
蛙飛ばずも水の音
あの夏のさよならは
決して忘れない
×