雪の朝

午前8時過ぎの
踏切交差点で
時計を気にしてる
小走りの後ろ姿

もう戻りはしない
雪を踏み分けた日々
もう戻りはしない
君を眺めてた日々

時は経ち僕ら大人になり
繕う事だけ上手になる
冬に吐く息が白くなるのは
君の優しい嘘を誤魔化すため

ああ、雪の朝 透き通った
君の白い肌に息を呑んだ
触れただけで消えちゃいそうな
それ程に美しかったんだ
今君はどこにいて
何をしているかは分からない
願わくば健やかに
笑って過ごしていますように

君を振り向かせる
台詞も知らないのに
自分を守るための嘘だけは
慣れたもの
僕は何とかやってるよ
君はどうしてるかな
1人泣いていないかな
今すぐ会いに行こうかな

再び黒くなった長い髪
控え目になびかせながら笑う
その笑顔が前の君とはもう
全く違っていて
笑えてきた

ああ、雪の朝 透き通った
君の白い肌に息を呑んだ
触れただけで消えちゃいそうな
それ程に美しかったんだ
今君はどこにいて
何をしているかは分からない
願わくば健やかに
笑って過ごしていますように
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